指示が伝わる説明の仕方

職場で活用

指示が伝わらない現状

丁寧に説明しているのに、伝わらない。
やることを指示しても、言ったとおりにしてもらえない。
例えば、こんなシーン。

医者
医者

マスクしっかりつけてくださいね

患者
患者

つけてるけど・・・

医者
医者

(伝わってってないなぁ・・・)

マスクはきちんとしてくださいね。

患者
患者

ちゃんと口が隠れるようにしてるのに、なぜ何度も言われるんだろう・・

ちゃんと説明できてるような気もしますが、伝わってないですよね。
続いてよく見かける電車のホーム上でのこんなシーン。

車掌さん
車掌さん

点字ブロックの内側にお下がりくださ~い
点字ブロックの内側にお下がりくださ~い
(連呼)

ホーム上の人
ホーム上の人

誰か外側にいるのかな?

こちらもどうも伝わっていないようですね。

伝わらない原因は?

医者の指示が伝わらない原因は「きちんと」「しっかりと」という表現です。「きちんとしている」はどんな状態を指すのかは人それぞれです。

説明者は「鼻も口も隠す」のがきちんとしていると思っている。
聞き手は「口を隠す」のがきちんとしていると思っている。

認識は人によって違う、ということです。

ということは、両者の行動が一致する事は、ないですね。

車掌さんのほうは「点字ブロックの内側」の表現も点字ブロックって大きいですよね。これも人によって解釈が違います。

点字ブロックの端っこ(電車側)から、はみ出さなければ「内側」にいる、と思っている人。
点字ブロックの端っこ(ホーム側)より、内側にいれば「内側」と思っている人。

点字ブロックの中の「どこを基準にするか」によって「内側」の位置は人によって変わるということです。

伝わらない原因

説明者と聞き手の認識が一致していない

伝わるための説明の仕方

認識を一致させるためには、具体的な説明を付け加えます。
具体的というより、物理的(誰もが共通でわかる事物)な説明を加える、という感じでしょうか。

これなら伝わる!

あごが隠れるようにマスクをしてね」

「点字ブロックを踏まない位置までお下がりください」

これなら説明者が思っている行動を聞き手も行ってくれます。

伝わるためのトレーニング

練習をしてみましょう。
職場のワンシーンをイメージしながらどんな説明が伝わるか考えてみてください。

問題1 「この資料ホッチキス止めお願いします」を伝わる説明文にしてみましょう。
問題2 「何かあったら相談して」を伝わる説明文にしてみましょう。

答えです。

問題1の回答 この資料をホッチキス止めお願いします。ホッチキスの位置は左上に1か所斜めにしてください

ホッチキス止めの位置にこだわらない、または社内ルールがない、という方であれば、ここまで指示しなくてもよいと思いますが、ルールがある、という場合は、ここまで指示してあげたほうが結局仕事は早く終わらせることができます。

問題2の回答 「判断に迷うことがでてきたら、チャットで声かけてね」

「何かあったら」は人によってかなり解釈が違います。説明者の考えている「何かあったら」を具体化して伝えます。
「相談して」というのも人によって解釈が違いますし、相談というのは案外しずらいものです。そこで「どうやって相談するのか」を具体化して伝えると、聞き手は行動に移しやすいです。

この答えはあくまで一例です。みなさんもご自身が考えた説明文を見て、物理的(誰が聞いても同じものを想像できる)な言葉が入っていればOKです。

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まとめ

練習問題をしてみると、「こんなに細かいことまで・・・」と思われるかもしれませんね。
説明者が想像している事と、聞き手が想像していることは違います。
「違うんだ」ということを念頭において説明すると伝わります。